①尿が上手く出ない・すっきりしない


「尿が出難い」と云う場合、年齢・性別によってもよくある疾患は差がありますが、それも「必ず」と云うものではありません。男性で50歳台以後であれば、50%以上の方に前立腺肥大症が認められますが、それ以外にも神経系(脳梗塞や脳内出血、パーキンソン病や脊髄損傷等)様々な疾患が原因で排尿障害は起こります。また、糖尿病や薬剤(風邪薬や腹痛の薬、精神科の薬剤やアルコール等)によっても排尿障害は起こります。従って、性別や年齢に関わらず、あるいは「歳のせい」と諦めずに、先ずはご相談下さい。

②尿が近くて日常生活に困る


短時間に何度もトイレに行く必要があると、日常生活にも支障を来します。また、単に「トイレが近い」と言っても原因は様々です。膀胱に尿を溜める力が落ちて、「短時間に何度もトイレに行くけれど少ししか出ない」場合や、尿を多量に作ってしまうために、「何度もトイレに行く上に、1回当りの量も多い」場合等、そもそもの原因が異なる事があり、原因を突き止めなければ対策も出来ません。確実に原因を突き止めて、必要な対策を講じる必要がありますので、先ずはご相談下さい

③尿失禁で困る(成人)


40代以降の女性には3人に1人(報告によっては半数以上)に尿失禁があると言われています。同時に、失禁にも幾つかの種類があり、「突然トイレに行きたくなり、トイレに間に合わずに漏らしてしまう(切迫性尿失禁)」、「笑ったりくしゃみをしたり、突然立ち上がったり走った時に尿意に関係なく漏らしてしまう(腹圧性尿失禁)」、前記の両方が混在する混合性尿失禁など、原因や症状も様々です。多くの方が失禁があっても誰にも相談出来ずに悩んでしまい、徐々に社会生活が制限されていると云う報告もあります。しかし、失禁の型によって原因も対策も異なりますし、服薬でかなり改善される方も多くいらっしゃいます。男女とも、独りで悩まずに、先ずはお気軽にご相談下さい。

④おねしょが治らない(小児)


生まれたばかりの赤ちゃんは、膀胱が小さい上に常に尿を作り、また、トイレの概念も無いのでしょっちゅう排尿をしています。これが2~3歳頃に成ってくると、膀胱の容量が増える事、睡眠と覚醒のリズムが作られ始めて夜間の尿量が減少する事、また、オムツでの排尿が気持ち悪いのでトイレで排尿しようとし始める事、等により、徐々におねしょをしなくなります。「時々おねしょをする」程度の比率は、5~6歳で約20%、小学校低学年では約10%、10歳児にも約5%と云う報告があります。自然に頻度が減っているようであれば、それ程問題には成りませんが、連日のように続く場合や、「お泊り」の時等を考えると、対応を考える必要がある場合がありますし、中には他の病気が隠れている事もあります。一つの重要なポイントは、5~6歳以降に成っても、昼間でも毎回のように失禁があり、時に便も漏れる場合で、そうしたお子さんは早目に医療機関の受診が必要だとお考え下さい。また、「おねしょをしそうな時間に起こしてトイレに行かせる」、いわゆる「夜尿起こし」は現在は推奨されておらず、寧ろ夜尿を悪化させると言われています。基本的姿勢は「焦らず、怒らず、起こさず」の方針が重要ですが、心配される事も多いと思います。かなりの頻度で親御さんの「不安」が子供の夜尿に悪影響を与えている事もあるようで、ご相談されただけで改善するお子さんもいらっしゃいます。どうぞご安心してご相談下さい。